重症心身障害児とは、重症度の高い身体機能障害や知的機能障害を抱えている子どものことを示します。重度の障害を持つ子どもたちは今日の医療技術の発展によって生存率が向上してきています。そのため、その状況に合わせた看護ケアを行うことが重要とされており、その看護において特に大切なことが2つあります。
1つ目は、身体機能についてしっかりと把握することです。重症心身障害児の子どもたちは、寝たきりであり、ほぼ介助が必要な場合も多いです。しかし、ただ寝たきりというだけでなく、側弯といって体が曲がった状態で固まってしまっていたり、気管切開や人工呼吸器を使用している場合もよくあります。一つ一つの介助を行うことさえ非常に大変でリスクがあるため、対象者の状況をきちんとアセスメントし、一人ひとりの身体機能に合わせた看護介入を行っていく必要があります。
2つ目は、コミュニケーションを取ることです。重症心身障害児に限らず、看護をするためには相手とコミュニケーションを取り合って意思疎通を行い、信頼関係を構築したうえで看護ケアを行うことが大切になります。ですが、重症心身障害児とのコミュニケーションは、対象者の身体機能や知的機能に適応した方法を選ばなければなかなか上手くいきません。そのため、対象者のことを理解できる力や、臨機応変なコミュニケーションスキルを磨く必要があります。
重症心身障害児施設で働く際には、ある程度の知識を身につけておくことが大切です。施設のなかには、障害への理解を深めるための看護師向けの教育体制が充実しているところもあります。また、重症心身障害児施設への転職でチェックするポイントとして、教育体制の他に、具体的な仕事内容や現場の実状などをしっかりと把握しておくと入職後のミスマッチを回避できることでしょう。